これ、なにかわかりますか?
ヒントは、大きな動物の茶色い落し物です…
そう!ゾウのうんちです!
一粒の重さは約1kg。一日に、50~100キログラム程のうんちをします。
このうんち、よ~く見ると…なんかぼさぼさしているものが見えるのわかりますか?
この正体は、草です。
ゾウは、ウシやシカ、ウマなどと同じ草食動物です。
ここからちょっと難しい話になりますが…
「草を食べる」のは同じでも、草の栄養を自分の体に吸収するしくみ(消化)は、動物によって少しずつ違っています。
ウシやシカ、キリンなどは、発達した胃(複数あり、大きい)を持っています。
草を食べたら、胃で発酵させて、吐きもどし、歯ですりつぶして、また飲みこむ…これを反芻(はんすう)といいます。
※ねっちゃねっちゃやっているあの姿です!
反芻を繰り返すおかげで、草がうんちになるときには、もう細かくなっていて、もとの形がほとんどなくなっています。
一方、ゾウやサイでは、胃ではなく、盲腸が発達していて、そこで草を発酵させることで栄養を吸収しています。
反芻しない分、草はすりつぶされないので、もとの草に近い形でうんちにでてくるんですね~
同じ草を食べる動物でも、消化のしくみの違いで、こんなにもうんちの形が変わってくるんです!
あれ?タイトルなんでしたっけ?紙を作る?
ずっとうんちの話をしてきましたが…みなさんは、うんちから紙を作れること、知っていましたか?!
でも、キリンやシカのようなぽろぽろうんちじゃダメ。
草が残っていることが、紙を作る上で大事なんです!そう!だから、「ゾウさんのうんちから紙作り体験」というイベントができるんです!
さて、ここでやっと紙の作り方をご紹介します。
まず、適切な量(欲張りすぎると、後で大変なことに…)のうんちをとって、洗います。
良く乾かしたあと、煮込んで熱で消毒。
すっかりきれいになったうんちと細かくした紙やパルプを、ミキサーでまぜまぜします。
それを型に流し込み、水気を取って乾かしたら…
味のある紙ができあがります!
型の形を変えてみると、さらに楽しい!かわいい!
かみね動物園では、ゾウ、ウサギ、カバ、ハートなどの種類を用意しています。
みんな一生懸命、楽しく作ってくれました。
大人の方も大興奮!
ゾウのうんちひとつに込められる情報量の多さ、可能性に、しみじみ動物のすごさやおもしろさを感じます。
ゾウのうんちは、なかなか手に入らないので、
ぜひ、かみね動物園で、「ゾウさんのうんちで紙作り体験」してみましょう!
次回は8月19日。
長靴とゴム手袋、においに負けない屈強な心(すぐに慣れます!)を持って、遊びに来て下さい!
※事前応募制です。詳しくは、かみね動物園HPのイベント情報をご覧ください。
http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/002/p044976.html
(獣医師 あきば)