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平成25年9月14日(土曜日)

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嗚呼、アフリカよ(その2)

平成25年9月14日(土曜日)

大変長らくお待たせしました…。

(その2)って何?(その1)は?という方はこちらをご覧ください。
嗚呼、アフリカよ(その1)

近日中に(その2)公開予定と書いていましたが、いつの間にか9月も中旬。
じぇじぇじぇ!?9月!?と驚いていたところ先輩からアフリカブログの続き書かないの?
と言われたのでじぇじぇ。すぐ書きます。とキーボードを叩いている次第でございます。

さて前回はアフリカにおけるクロサイの密猟にクローズアップしました。
サイの角は東南アジアのお金持ちの人達に「難病に効く薬だ」と信じられていて、高値で取引されます。
角をえぐり取られた多くのサイは命を落としてしまいます。
昨年は約500頭のサイが殺されました。このペースで密猟されると数年後には絶滅してしまうかも…。

けれど密猟は止まりません。
その背景にはこんな事が考えられます。

アパルトヘイトについての絵の写真1

クロサイが主に生息する南アフリカ共和国は、長年「アパルトヘイト」という人種差別の政策がはびこってきました。
例えば同じ時間働いても白人はたくさんお金をもらえるのに黒人はほんの少ししかもらえない
白人の子供は学校に行って勉強できるのに黒人の子供はできない、など日本に住む私達からすると考えられないような内容です。

アパルトヘイトについての絵の写真2

その後、政府が人種差別の法律を無くす事に取り組み、大規模な法の改正が行われ、平成6年アパルトヘイトは無くなりました。
けれど100年以上続いた人種差別の風習は住宅や仕事、子供たちの教育など色々なところに深く根付きなかなか全て解決とはいかないのです。
人々の意識のなかにいまだに人種差別は残っており、仕事が大成功してお金持ちな人とまともな仕事に就けず生きるのに精いっぱいな人の差は広がるばかり。

サイの密猟についての絵の写真1

ここでサイの密猟も関わってくるのではないかと私は考えています。
仕事に就いてお金を得ることができない人々は自分や家族を養う事も十分にできません。
サイの角は高値で売れ、一度売れば十分なお金を得ることができ生活もしばらくはできるはずです。

サイの密猟についての絵の写真2

人種差別による貧困はあくまで密猟の原因の一つとして挙げました。
アフリカ大陸には他にも内戦や紛争が絶えない国、乾燥地域が多く作物がうまく育たない国など、人々が生きるのに困難なことがたくさんあります。
これらの要因が複雑に絡み合って野生動物の密猟にも繋がっているのではないでしょうか。
密猟者に密猟をやめさせよう。と叫ぶのは簡単ですが、誰もが安心して平和に暮らせる場所を作らなければ難しいのです。

めとろ(サイ)の写真

TICAD(アフリカ開発会議)をきっかけに少しアフリカの事を知りましたが、まだまだ知らないことばかり。
この問題を解決するために具体的に私にできる事。それはこの事実を少しでも来園者の皆様に知ってもらえるよう伝えていく事です。
ブログを読んだ方が自分たちにできる事は一体何なのか少しでも考えていただけたら幸いです。
また、私はこう思う、などの意見あればぜひ教えて下さいませ。
では、長文失礼しました。

(飼育員 かわそえ)

(補足)サイの密猟に関してはWWFジャパンが公式見解を発表していますので併せてご覧ください。それによると近年の密猟は統率のとれた組織力のもと最新のテクノロジーを駆使した犯罪ネットワークにより行われており、アジアでの違法な需要の高まりと歩調を合わせ闇社会のビジネスとして横行しているようです。
重要と供給の両者を断ち切る必要がありますね。

(園長)

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