×
閉じる

staff blogスタッフブログ (飼育員ブログ)

飼育員のおすすめの本

令和5年9月28日

番外編!!

今月更新したかみね動物園公式Youtubeはご覧になっていただけたでしょうか?
まだご覧になっていない方はまずはそちらをご覧ください。

公式Youtube
URL: https://youtu.be/oOZhnkMMIiY

今回の動画は『飼育員のおすすめの本』でした。
この番外編ブログでは動画に入れることができなかった本をいくつかご紹介したいと思います。

やました飼育員おすすめの本

ぞうくんのさんぽ

「ぞうくんのさんぽ」

ぞうくんのあめふりさんぽ

「ぞうくんのあめふりさんぽ」

作:なかのひろたか
出版社:福音館書店

~あらすじ~
ぞうくんが色んなお友達と散歩に出かけます。

~おすすめの理由~

やました飼育員
子どもが好きな絵本です。1~2歳くらいの子にオススメです。
オチや展開は同じような感じですが、そこが子どもたちに人気のようです。

かわそえ飼育員おすすめの本

ゾウの時間ネズミの時間

「ゾウの時間ネズミの時間~サイズの生物学~」

作:本川達雄
出版社:中公新書

~あらすじ~
生き物のサイズによって動物たちはそれぞれ異なる時間を持ち、その時間の中で生きていることを様々な仕組みから紐解いていく生物学の本です。

~おすすめの理由~

かわそえ飼育員
一生の間に使用するエネルギー量や心臓の打つ回数などは動物たちにはほとんど差異がないのでサイズの小さい動物全速力、大きい動物はゆっくり生きていることになります。
自然の中での私たち人間の立ち位置や価値観を再確認できる本です。

はまだ飼育員おすすめの本

図書館猫デューイ表紙
「図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語」

作:ヴィッキー・マイロン
訳:羽田詩津子
出版社:早川書房

~あらすじ~
町の人に愛されている図書館に住みついた猫のお話しです。感動系です。

鷹の師匠、狩りのお時間です!
「鷹の師匠、狩りのお時間です!」

作:ごまきち
出版社:星海社

~あらすじ~
実際に猛禽類を飼育している人のエッセイ。
日本の法律とかもさりげなく学べる。

~おすすめの理由~

はまだ飼育員
高校生の頃読んでとても印象的だったので。

たかはら飼育員おすすめの本

がらがらどん
「三びきのやぎのがらがらどん」

作:マーシャ・ブラウン
訳:せた ていじ
出版社:福音館書店

~あらすじ~
三匹のヤギが新たな草原を求めて橋を渡ろうとするお話です。

~おすすめの理由~

4
昔、子どもによく読んでいました。
なぜ三匹とも名前が「がらがらどん」なのかがずっと気になっています…

ありかわ飼育員おすすめの本

カンガルー
「カンガルーには、なぜふくろがあるのか」

再話:ジェームズ・ヴァンス・マーシャル
絵:フランシス・ファイアブレイス
訳:百乃 佑利子
出版社:岩波書店

~あらすじ~
カンガルーをはじめいろいろな動物のお話が詰まった絵本です。

~おすすめの理由~

ありかわ飼育員
オーストラリアの先住民族の方々が子どもたちに聞かせている童話たちです。
日本とは捉え方も違いとても面白いです。

簡単な紹介となってしまいましたがいかがでしたでしょうか?
Youtubeで紹介した本とも合わせて気になるものがありましたらお近くの書店や図書館でぜひ手にとってみてくださいね!!

令和5年9月28日

十人十色 八頭八色

令和5年9月19日

年度が替わるタイミングで学生にクラス替えがあるように、飼育員には『動物の担当替え』があります。

今年度からサル類の担当になった私は、毎日数十分だけチンパンジーたちと関わるようになりました。

最も人間に近い動物とも言われるチンパンジー。個体ごとに個性があり、ほぼ初対面の私への対応も様々でした。

今回はチンパンジーの担当をしたことがない私から見た、チンパンジーたちの印象をお話ししたいと思います。


ユウ

まずは体格のいい立派なリーダー(αオス)ユウ!

先輩飼育員曰くとても優しいそうですが、個人的にはちょっと苦手…

というのも、見慣れない私に対してことあるごとに唾を吐き掛け、隙あらば口に含んだ水を飛ばしてくるからです。

群れのリーダーとして自分を強く見せるための行動だそうですが、顔面に掛けられるとテンションが下がってしまいます…

今は『ユウと仲良くなろう大作戦』ということで会うたびに好みの餌を与えています。

少しは仲良くなれたかな?今後も根気強く接していこうと思います。

ゴヒチ

続いては元リーダー(αオス)のゴヒチ。ユウやリョウマの父親です。

先輩飼育員曰く宇宙のような心の広さだそうです。

群れ全体の穏やかな雰囲気や最年少のチヨに対する接し方を見ると、確かに心が広そうだなと思います。

ヨウ

お次はヨウ。52歳で最年長ながらとても元気なメス。

ちなみに私の一押しです!

とても愛想がよく、会うたびにうなずくような動きで挨拶をしてくれます。

私に限らず人間の男性全般が好きなようですが、友好的に接してくれるのは嬉しいものです。

マツコ

マツコ。優しく穏やかな性格で、息子のリョウマに対しては未だに甘いそうです。

食べたり飲んだりすることが大好きなようで、ジュース(オリゴ糖を加えた水)を与えていると最前列の一番もらいやすい所に来ます。

これからも歯を大切にして大好きな食事を楽しんでもらいたいです。

イチゴ

イチゴは、いしかわ動物園で生まれ人工保育で育ちました。

人工保育で育ったためか、他個体とのコミュニケーションが上手く取れなかったそうです。

しかし今では色々なことを学んで群れの一員として過ごしています。

英語が苦手で外国人とのコミュニケーションがなかなか取れない私は、イチゴに対して勝手に親近感を抱いています。

リョウマ

ゴヒチとマツコの息子で思春期真っ盛りのリョウマ。

大柄な体格で大迫力のディスプレイをしているのを見て、最初は少し怖い印象でした。

しかし、ユウにビビったりジュース(オリゴ糖を加えた水)を積極的に飲んでくれたりといったかわいらしい一面を見ることができ、年相応の男子という印象に変わりました。

今後の成長過程を見るのが楽しみです。

フク

一昨年、よこはま動物園ズーラシアから来たフク。

社交的かつ積極的な性格ですぐに群れに馴染んだそうです。

こまめにグルーミングや挨拶をして他個体と良好な関係を築けているようです。

チヨ

最後に紹介するのは最年少のチヨ。

イチゴの初めての子ですが上手に育児をしてもらうことができなかったため、人工保育で育ちました。

現在は7頭の大人たちと一度に同居する練習中。

少しずつ成長していく姿を見ていると今後がとても楽しみです。


以上で終わりになります。

チンパンジー担当ではないため、1日に関われる時間が少ないのでなかなか進展していきませんが、チンパンジーたちと良好な関係が築けるように頑張っていきたいと思います。

飼育員 風間

令和5年9月19日

ボリビアリスザルのゲンキ

令和5年9月9日

最年少のボリビアリスザルといえば

リスザルの島には、現在8頭のリスザルたちが暮らしています。
それぞれ見た目にも性格にも個性があり、観察しているとその個性が垣間見えます。

8頭のうちの最年少、ゲンキ。

ボリビアリスザルのゲンキ
ゲンキは今年の5月で4歳になりました。「わんぱく」「やんちゃ」という言葉がとってもお似合いのオスのボリビアリスザルです。実はこのゲンキ、産まれてすぐに母親を亡くしたため、人工保育(飼育員が母親代わりにミルクなどをあげて育てる)で育ちました。先輩職員のおかげで、名前の通りすくすくと元気に成長し、リスザルの群れの一員として合流することが出来ました。

かみねのウォークスルーといえば…

かみね動物園のリスザルの展示方法はウォークスルーといって、リスザルたちが棲んでいるエリアに人がお邪魔するといった展示方法です。動物との距離が近いので、間近で見ることができるのがこの展示方法のメリットです。

ウォークスルー展示

(どこにリスザルいるかな~)

リスザルたちは、触れようものならキィー!と怒りますが、島に入ってくる人は危害を加えるものではないことが分かっているようで、基本的には自由気ままに過ごしています。(美味しいものや興味のあるものはサッと盗んでいくのでカバンなどにしっかり入れてから入ってね。)

のんびり休憩するリスザルたち

ゲンキにウォークスルー展示が合わない!?

来園者の皆様にたくさんのお願いをして成り立っているこのウォークスルー展示ですが、ゲンキを放つとなると事情が変わってきます。

人は遊んでくれる、かまってくれる、そんなふうに思っているようで、距離を取ろうとしても、体に飛び乗ってきたり、足の上に乗ってきたり…。お気に入りの職員が来ると声を出して喜び大興奮。見た事ない物や興味が湧いたものはとりあえず奪って自分の手の中、口の中に。

もちろん各々性格に個体差はありますし、まだまだ子供という年齢もあり、必ずしも人工保育で育ったからというわけではないですが、他のリスザルよりも異常に人慣れしている部分があります。

かみね動物園ではリスザルをペットとして飼育しているわけではなく、野生動物として扱っています。職員もリスザルとの距離を大切にし、不必要に触ったりはしません。ですので、来園者の皆様にも「観察」という形でリスザルを見ていただいています。

しかしゲンキに限ってはその適度な距離を取らず、来園者の皆様に近づき、ひどい時は噛んでしまったり、物を盗んでしばらく返してくれなかったりすることがありました。

最近のゲンキ事情

というわけで、来園者の多い日中はお部屋の中でお留守番をしてもらっていましたが、

部屋の中でお留守番中のゲンキ

(部屋の中でお留守番中のゲンキ。ひとりでも部屋の中を走り回っています。)

4歳になり、以前よりも落ち着きが出てきたので、最近は時間を見つけてはゲンキを外に出して島を通行可能にし、他のリスザルと同じように人を気にせず過ごせるような練習をしています。

ウォークスルー展示になれる練習中柑橘系の花をつまむゲンキ

(外は刺激がいっぱい!最近はよく虫捕りをしています。)

この練習は万が一のことを考え、基本的には担当者のわたしがいるときのみ実施していますが、今のところそこそこ良い感じ。これが他の職員でも同じであれば上出来ですが、諸々の事情でまだ踏み切れません。

目指せ!今年の冬は部屋を開放して暖かい部屋と外の行き来できる展示ができるように!(昨年まではゲンキを部屋にとどめておかなければいけなかったために、他のリスザルたちは寒い中頑張ってもらう場面もあったので…)

そしてどの職員に対しても同じ態度で接する事が出来るように!

消防ホースの上で休むゲンキ

(走り回りすぎて小休憩するゲンキ)

全てはゲンキ次第。やんちゃなゲンキがどうやったら話を聞いてくれるのか、模索しながらの練習が続きます。
お外に出ている時に遭遇したら、頑張ってるなーと静かに見守っていただけると幸いです。

(気分はやんちゃな子を持つ悩める母 ところ)

令和5年9月9日