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staff blogスタッフブログ (飼育員ブログ)

採食時間を延ばしたい!パート2

2022年2月19日

牧草を食べ終わると、催促行動が目立っていたシマウマのキララ。
採食時間を延ばして、暇な時間や催促行動を減らしたいなと思って始めた諸々をご紹介!
のパート2!!


前回のブログはこちらから:www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/blog202112.html(新しいウインドウが開きます)

(3)続・フィーダー

前回のブログでも少し触れましたが、
アマゾン欲しいものリストでお願いしたヘイボールが届き、早速使ってみました。
似たようなエンリッチメントを使用していたから、警戒もせずにすぐに使用してくれました。

ヘイボールから牧草を引っ張り出して食べるキララ

これがとても良い!!!(担当者視点)
少し食べ辛いようで、少しつまんでは別の所へ牧草を探しに行き、戻って来てはコロコロ転がしてつまむ、という行動が引き出されています。一気に食べてしまうことを防げるほか、別の所へ行き、戻ってくるという時間の延長にもつながっています。
ヘイボールから牧草を食べるのに試行錯誤 ヘイボールから牧草を食べるのに試行錯誤2

購入していただいた方に、この場を借りて感謝申し上げます。
ありがとうございます。

そして今回新たに設置したのがこちら。

新しいフィーダー

倉庫の整理整頓の日があり、廃棄するものの中から使えそうなものを選んで作成しました。
元々は1日のうち最も長く過ごす寝室で使ってもらうよう設置しました。しかし、一晩で多用したようで、朝確認時にフタにしていた木の部分がボロボロになっていました。

そこで、寝室にはもう少し頑丈なものを作ることに決め、これは日中展示場で使ってもらう事に。

新しいフィーダー

これも下から引っ張ったり、かごを揺らして牧草を落としたり
上手に使って食べてくれていますが、慣れてきたようであっという間になくなります…。

(4)木の枝を詰める

キリンが葉を食べたあと残りの木の枝。
普段はゾウのおやつになりますが、少し拝借して、この深くて大きいエサ箱に、下に牧草を入れて詰めてみました。

枝を餌箱に詰めた

ハートマンヤマシマウマは、基本的には地面に生えている草を食べますが、木の枝や葉を食べることもあるようです。

エサ箱に頭を突っ込むキララ

早速いつものように頭を突っ込んで牧草を食べようとしますが、木の枝が行く手を阻むようです。
このあと、写真には撮れませんでしたが、こっちを向いて食べにくいんですけど?というような顔をされました。

食べにくいと後回しにしがちなキララ。
これもまた、後回しにされましたが、他の場所に食べるものがないと分かると次の一手に出ました。
枝を引っ張り出すキララ

写真だと見えにくいかもしれませんが、枝をエサ箱から引っ張り出し始めました。
少しビビりなキララは、自分で引っ張りだした枝に少し驚くことも(笑)

枝に驚くキララ 

行く手を阻む枝を上手に出し、またそれをポリポリと食べながら、最終的に全ての牧草を食べ切りました。

枝をエサ箱から出すキララ

木の枝は良い食べ物兼遊び道具になっているようで、牧草を食べ切った後も、枝を食べたり、くわえて振り回したり、くわえたまま展示場内を一緒にまわったりなど、採食時間の延長のほか、キララにとって良い時間つぶしにもなっているようです。
枝が散らばった展示場

キララが寝室に帰った後の展示場は枝が散らばっています…。

さて、いろんな方法で採食時間を延ばしていますが、今は冬時間。開園時間が少し短い時期です。
3月からは夏時間となり、開園時間が45分延びます。
さらに採食時間を延長させる方法を考えなければ…!!!と楽しみながら頭を悩ませる日々です。

良い方法やアイデアがあったら、ぜひ教えてください。

担当者のつぶやき

担当動物の変更が4月にあるんだろうなぁ~と思っていた頃、
川崎市、夢見ヶ崎動物公園で飼育されており、キララの父親である、ビリーが亡くなったことを知りました。
これで国内で飼育されているハートマンヤマシマウマは5頭になってしまいました。

近い将来、国内でハートマンヤマシマウマを見ることはできなくなるかと思います。

4月以降も担当であれば、今いるキララのケアと同時に、
せめて来園者の方々やブログを読んでくださる皆様には、キララの存在を通して、「シマウマだねー」だけじゃなく

「シマウマにも種類があるんだ。」
「前に行った動物園のシマウマはなんだったんだろう。」
「そもそもなにが違うんだろう。」

と、シマウマという動物に興味を持ってもらえるといいな、と思う今日この頃です。
キララ

2022年2月19日