牧草を食べ終わると、食べるものがないことによるイライラや催促行動が目立っていたシマウマのキララ。
採食時間を延ばし、その行動を少しでも減らしたいなと思って始めた諸々をご紹介!
(1)展示場にばらまく!
以前はドカッと与えていたやり方を変更!
以前:エサ箱にどんっ!
今:展示場内の数か所にちょびちょびっと。
結果:牧草を探すのに隅から隅まで調べるようになりました。食べ終わっても、置いてあった場所に戻り、少し残っている牧草を口先でちょこちょこ食べる様子も見られます。探索行動が増えたという意味では少しは改善したのかな?と個人的に思っています。
(2)時間と量
1日5キログラム(以下省略)の牧草を与えていますが、その与える時間と量を変更しました。
朝 | ブランチ | 昼 | アフタヌーンティー | 夕方 | 施錠前 | |
以前 | 1.5 | 1.5 | 2.0 | |||
今 | 1.0 | 0.5 | 1.0 | 0.5 | 1.0 | 1.0 |
今までは朝に1.5あげてしまうと、
10:00前には食べ終わり、「もっとくれー!!」と言わんばかりに担当者に食って掛かっていました。
今は、複数回に分けることで「採食+探索行動」が繰り返され、暇な時間は減少したかと思います。
また、それに伴う餌を催促する行動やイライラする行動の減少も見られたような気がします…。
(本当は動画解析をして数値にしたいところですが、データだけ取って解析できていません…。いつか!!!)
(3)フィーダー
フィーダーを設置し、簡単に牧草が取り出せないような工夫もしています。
・獣医師からもらったプロテインのケース
・アマゾン欲しいものリストで購入していただいたヘイネット
・前担当者が使用していた園芸用バスケット
普段使わない道具を使えるように考えてもらうのも、変わらない日常へのちょっとしたスパイスです。
設置した当初は驚いて近付かなかったり、食べるのが下手でしたが、数日もすれば、あっという間に食べ方を習得してしまいました。日々食べ終わる時間が短くなっていく…と同時に新しい物への恐怖心も薄れているので嬉しいやら悲しいやら。
ということで、コラボ技。
園芸用バスケット+ヘイネット!
大分食べにくそうでしたが、地面に置くと上手に転がして食べきる日もありました。
そこで、これを吊るしたところ、現在はこれに悪戦苦闘中。
やや諦め気味な雰囲気も漂わせ、夕方寝室に戻る時間になってもエサが中に残っていることもしばしば。
何故食べている時間を延ばしたいか。
野生のシマウマは1日の多くの時間を食べることに費やします。
しかし、動物園など限られたスペースで飼っていたり、
健康管理のため与えるエサの量が決まっていると、なかなか大半の時間を食べることに費やすことが出来ません。
当園で飼育しているキララの場合、牧草を食べ終えると、担当者とコミュニケーションをとったり、天気が良いとウトウトしていることもあります。
(耳を触ってほしいキララ) (日中ウトウトしているキララ)
しかし、シマウマという仲間とのコミュニケーションの時間がなく、ウトウトするような気候ばかりではありません。
食べ終えて暇な時間が長くなると、エサの催促が増える他、イライラから人に当たったり、ひどい時には噛みついて訴えてくることもあります。食べる時間が長ければ、こういった行動も見られません。
そんなわけで、どうしたらキララの生活の質が上がるかな~と考えながら、日々を過ごしています。
ありがとうございます!!!
先日、アマゾン欲しいものリストでヘイボールをお願いしたところ、
高額なものにも関わらず、購入してくださった方がいらっしゃいました。本当にありがとうございます。
キララの生活の向上にきっと役立つはずです。届いて使用したら、またご報告したいと思います。
今のフィーダーを攻略される前に新しいアイデアを考えなければ…!