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staff blogスタッフブログ (飼育員ブログ)

動物たちのお願い(後編)!

2019年8月12日

前回に続いて七夕イベントのご紹介です!

雨で延期が続いていたのが、晴れが続く今となっては嘘みたいに思えます。

前編はコチラ(https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/900/p078378.html

ライオンも空を飛んでみたい!?編

ライオンは普段は眠ってばかりいますが、それは体力温存のためです。そう!彼らは百獣の王!狩りのときは素晴らしい身体能力で獲物をしとめます。キリンやバッファローなど大型の動物には集団で飛びかかって倒します。しかし、動物園では切り身のお肉を与えているため、なかなか飛びかかるといったことをさせてあげられません。そこで、今回ライオンに大ジャンプをしてもらおうと思います!その成果はいかに!?

らいおん

   <久しぶりの晴天で大賑わい!>

ジャンプの仕掛けは単純です!お肉をダンボールに入れて展示場の上からぶら下げます!

とり はこ

     <このニワトリを>            <この箱にいれます>

設置 ライオン

  <上からぶら下げると>       <大・・・? ジャンプ!>

見事に大ジャンプ?でお肉を手に入れることが出来ました!普段は見ることができないライオンのジャンプに皆様から歓声があがりました!

動物園ではライオンに限らず狩りをするハンター達が運動不足や退屈にならないようにエサのあげ方を工夫しています。生きた餌をあげられない以上、箱に入れて取りづらくしたり、エサを隠したりなど日々試行錯誤です。

らいおん

<苦労して手に入れた肉は美味しいかな?>

チンパンジーのボールプール編

最後はチンパンジーに大量のカラーボールをプレゼントしました!ボールの中にはチンパンジーの大好物である、ナッツやフルーツなどが隠してあります。賢いチンパジーたちは大量のボールにどんな反応をしたのでしょうか。ただ、展示場が広いのでプールとまではいきませんが、ダンボールに入れたり、ばら撒いたり1000個ほどのボールをプレゼントしました。

自然界にはボールが落ちていることはまずありませんが、チンパンジーは木の実をほじって中身を出したり、朽木から幼虫を捕まえたりと器用な手先を使ってエサを手に入れます。また、好奇心が強い彼らを満足させるためには日々様々な刺激を与えられるようにエサを隠したり、遊具を与えています。この日は退屈することなく、部屋に帰るまでボールに夢中になっていました。

チンパンジー チンパンジー

 <ダンボールは自分のものだと主張>       <大量のボールに囲まれたり>

ボール

   <全員いきわたりました>

チンパンジーの社会ではエサや遊び道具などを強いものが独占するのではなく、最初に手にしたものが独占できることになっています。たまにルール違反が起こりますが、群れのリーダーに叱られます。そうやってサルの中でも高度な社会を築いてきました。


今回は「動物達の願い事」ということで、3つのお願いを叶えましたが、叶わなかった願いもたくさんありました。私たち飼育員は話が出来ない動物たちがどうしたら心身ともに健康に過ごせるのかを考えながら毎日向き合っています。こういった大掛かりな仕掛けももちろんですが、日々の小さな工夫も大切です。そんな私たちが行っている小さな工夫を探してみるのも動物園の楽しみ方の一つかもしれません。

かわうそ

さて、来年の七夕はどんなイベントになるのか・・・。お楽しみに!

2019年8月12日

動物たちのお願い!

2019年8月4日

今年も「どうぶつえん七夕祭り」を行いました。ところがどっこい、雨雨雨雨飴雨雨・・・。困った事にずーっと雨。天気に振り回されながらも大いに盛り上がったイベントをご報告します!

ここ何年かは皆様から動物園で叶えてみたい願い事を募集し、実際に叶えるという企画を行っていましたが、今年は趣を変えて「動物たちの願いを叶えよう」ということで、動物たちの願いを叶えることになりました!ただし、動物たちが自分でお願いを言うことはできないので、担当者が動物の代弁者となって願い事を考えました!

集まった願い事は10個!その中から皆様に投票していただき最終的に3つの願い事を叶えることになりました!

お魚踊り食い編

これは複数の飼育員の合作で、自然界で魚を捕まえて食べている動物たちに生きた魚をプレゼントしようという願い事です!

動物園ではふところ事情と防疫上の理由で生きた魚は滅多にあげることがありませんしあげても少量です。

そこで今回は特大ドジョウ2キロを用意しました!来て見てビックリの20cmの極太ドジョウ!

ドジョウ ドジョウ

ドジョウを与える動物は、アライグマ、カメ、コツメカワウソ、ウミウです。

アライグマ!

アライグマ アライグマ

アライグマは雑食性で自然界では水辺の生き物が大好きで魚も大好物の一つです。そのつかまえ方が特徴的で、器用な前あしを水の中に入れ、岩や泥、水草のすき間に隠れている生き物を触った感覚だけで探し当てます。今回の土壌、あ、ドジョウも顔を水に付けることなく、前あしで器用につかまえていました!まさにマジックハンド!

生きている魚に大興奮のアライグマたちでした!

アライグマ

  <アライグマはうんたらかんたら>

カメ!

はちゅウるい館にいる魚を食べるカメたちにドジョウをあげました。水辺に生息しているカメのほとんどが、肉食性が強い雑食性で、魚や甲殻類、貝類などが大好物です。泳いで追いかけたり、待ち伏せしたりと捕まえ方もそれぞれです。

が、薄々予想はしていたのですが、カメたちの反応が悪いこと悪いこと。ほとんどがカメも生まれてから生きた魚など食べたことがなければ見たこともないメンバーだったので、そもそもエサだという認識がありませんでした。唯一フラミンゴ池から移籍してきたアカミミガメが池にいたころ魚を追いかけていたようで、追いかけてくれたのが救いでした。他のカメたちもしばらくすると追いかけはじめましたが、経験不足からなかなか捕まえられません。それでも、普段はじっとしているカミツキガメが俊敏に泳いで魚を追いかけている姿には感動しました!

カミツキガメ スッポンモドキ

   <危険なポッキーゲーム>         <おいかけて・・・いるかな?>

カワウソ!

カワウソは言わずと知れた名ハンターです!これまでもドジョウをあげたことがありましたが、今回は量が大量なのとガラス水槽を使っているのがポイントです!

かわうそ

手始めに、プラスチックの容器に少しだけドジョウを入れてみたところ、すぐに反応して捕まえてくれました!テンションがあがったカワウソたちは食べるよりも、捕まえては逃がし、捕まえては逃がし、と遊びだしてしまい、なかなか本番の水槽に行ってくれないという一幕もありました。

最初は水槽を警戒していた2頭も最後は中に入ってドジョウを捕まえる姿を見せてくれました!

かわうそ かわうそ

      <中に入って>              <つかまえた>

ウミウ!

最後はウミウです。日立市の鳥に指定されており、日本の動物園では現在はかみね動物園でのみ飼育されています。このウミウを使った伝統的な漁が鵜飼いです。ウに紐ををつけて船や川岸から鵜匠の指示でウミウに魚を捕まえさせます。ウミウは4本の指の間の水かきをつかって巧みに泳ぐことができます。ただ、ドジョウをあげたことがなかったので、食べてくれるかだけが心配でした。

うみう うみう

     <ドジョウ投入!>             <泳ぐ二羽>

心配をよそに、ウミウは自慢の泳力を惜しみなく発揮し、魚を見事に捕まえていきました。それはもう圧巻という他ありません。

私も含め見ていた全員が釘付けとなりました!写真が微妙なものしかなくてお伝えできないのが悔しい・・・。

同じ魚を捕る動物でも、種類によって反応や捕まえ方が様々で見ていてとても面白い願い事となりました。

動物達も、普段は食べられないエサを目の前に活発に活動していたので、良い刺激になったことだと思います。

お魚踊り食い!これにて叶いました!

長くなってしまったので、残りの2つのお願いは後日別のブログにて御紹介しますのでお楽しみに!

 

2019年8月4日