平成24年4月27日に「ゴヒチ」と「マツコ」の間に生まれた「リョウマ」君

現在のリョウマ
平成24年で推定34歳になるマツコにとっては初めての妊娠、出産。
なんと初産としては国内最高齢でした。
マツコはかみね動物園に来て3年、一度も交尾をせず担当者としても赤ちゃんを生む可能性は低いのかな…と考えていたため、妊娠が発覚した時はとても嬉しく感動しました。

妊娠確認が取れた時。人用の妊娠検査キットで判定できます
しかし、喜びとは裏腹にマツコは人に育てられ、他のチンパンジーが子育てをしている姿を見たことがなかったため、赤ちゃんを生んだとしても育児をしてくれるのか…という心配がありました…
不安と期待が入り混じるなか時は流れ、予定日より一週間早い出産。
無事に生んでくれたこと、そして、何より驚くことにマツコは赤ちゃんをしっかり抱いてくれていました。

顔は見えませんがリョウマを抱くマツコ
マツコよく頑張ったね。
と感動したのもつかの間…赤ちゃんがとても小さく見えました…
平成23年に生まれたゴウと比べると明らかに小さく、また授乳も確認が出来ません…
最初はしっかり抱いていたマツコも徐々にどうして良いのか分からなくなり、落ち着きがなくなりました。
そこで一度赤ちゃんを取り上げてみると体重950グラム…
ゴウは体重1820グラムうだったので、その約半分ほどしかなく極度の未熟児でした…
そのため赤ちゃんの体力を考え、人工哺育という判断を下すことになりました…

人工哺育となりミルクを飲んでいます
小さな体ではありましたが、どこかに異常があるわけではなかったこと、大きく体調を崩さなかったことで赤ちゃんは心配していたよりはるかに順調に大きくなってくれました。
名前は歴史上の人物のように強く、たくましく育ってほしいという願いと、平成24年が龍年であること、更にマツコから一文字をとり「リョウマ」と名付けました。
少しずつですが成長を続けるリョウマには、ゴウと同じく群れに帰すことを考え、すぐに格子越しで大人のチンパンジー達と触れ合うことも始めました。
特にマツコは育児を拒否したわけではなかったため、格子越しに優しくリョウマと触れあってくれました。
生後半年を過ぎ、元気に成長するリョウマ。現在では体重も4500グラムを越えました。生まれた時の約5倍です。

マツコと手を出し合い遊ぶリョウマ
そして体も大きくなり、体調も安定しているため11月からはリョウマの公開を始めました。
「お知らせ」でお伝えしましたが、土曜日、日曜日、祝日の13時30分から14時の30分間屋内展示室にて公開しております。
毎日元気に成長を続けるリョウマにぜひ会いに来て下さい。
(チンパンジー担当 大栗)