5月は愛鳥週間のある月です(5月10日から16日)。前回のブログにも書いたように、南からはツバメたちがやってくる時期でもあり、またヒナたちも次々と孵る時期でもあり五月晴れの空に舞う鳥たちを観察するにはうってつけの時期なんですね。という訳で、このシリーズも3回目となりました。今回は、「そう頻繁には見られないけどまあ時々来ますよ」的な鳥たちを紹介します。
まずはアオサギ。全長93cmとサギの仲間では大型でツルに間違われることも。動物園でも「大きい鳥が逃げてます」といったお客さんからの通報もあるぐらい見ごたえのある鳥です。アオサギの集団を多摩動物公園で見たことがありますが、高い木の上のあっちこっちに巣がつくってある光景は壮観でした。そういえばアフリカへ行った時もこの鳥を見かけました。名前の通り体面は青みがかった灰色で魚や爬虫類、両生類などを捕食する動物食の鳥です。水辺の環境を好むからか、この大きな鳥がフラミンゴケージのちょっと破れた隙間から入ったことがあるのですが、逃げる際には破れてないほうの網目に挟まりもがいていました。大きいことはいいことばかりではないようで!(破れはすぐ補修しました)
同じように水辺に生息する鳥で、カンムリカイツブリもやってきたことがあります。カイツブリの中では56cmと最も大きく、寝ぼけ頭の髪の毛のように黒い頭の冠羽が可愛らしく、リスザルの島の池にいる鯉の稚魚などを漁っていました。潜水能力に長けており、完全に潜ってすばしこく泳ぐので、一瞬どこに行ったのか分からずにいるとひょんなところから顔を出すというなかなか面白いやつです。リスザルとカイツブリもなかなか絵になるなと思っているうち、いつの間にか居なくなってしまいました。
動物園では私は1度しか見たことないのですが、イソヒヨドリのメスも来たことがあります。乾草倉庫の天井付近に見たことのない鳥を発見。やがて種名を特定できたのですが、実はオスのイソヒヨドリは見たことがありましたが体色が雌雄で違ってるのですね。メスは地味なダークグレー一色ですが、オスは体上面が青藍色に対し体下面は赤褐色のツートンカラー。名前の通り海岸部でよく見られるのですが、近年は都市部や内陸部へも進出してるようです。またこのシリーズでも登場したヒヨドリと名前がついいてますが、ヒヨドリ科ではなく分類上は同じく登場したジョウビタキ同様ヒタキ科に属します。
カワラヒワという鳥も見ました。全長15cmのスズメぐらいの小さな鳥です。尾羽に黄色い斑があるのが見分けるポイント。河原に生息するヒワ(アワやヒエを食べる鳥)が名前の由来だそうで、その名の通り植物食の鳥です。冬には大軍を形成するそうです。
動物園の敷地外ですが、ニホンキジも見られました。ゴルフ場などでも時折遭遇しますが、駐車場の様子を見に行った時に出会ったので、ちょっと驚きました。
今回はあまり見られない鳥を紹介してきましたが、このほかにも山を歩いていても滅多に見られないというヤマドリなども動物園で見たのですが残念ながらカメラを持っていなかったので撮影できませんでした。またスズメやカラス、キジバトやドバトなんかは当然普通にいますのであえて省きました。
という事で、今回でこのシリーズは最後にしたいと思いますが、これから動物園に来る際は、紹介した鳥やそれ以外にも色々と見られるかも知れませんので、そうした楽しみ方の一助になれば幸いです。
最後に、ちょっとショッキングな写真とおとぼけな写真を紹介します。それはカラスです。一般的に平地や農耕地にはハシボソガラスが多く、都市部や山林などに多いのがハシブトガラスですが、この辺は両者が混在します。ある時、ハシボソガラスがハシブトガラスの集団の中に紛れ込みました。すると、大勢のハシブトが空中戦でハシボソを攻撃し始めたのです。最期は地面に落下したハシボソ。縄張りをめぐっての争いなのか、徹底的にハシボソを攻撃して地上で殺してしまったハシブトはその後、悠然と大空を舞っていったのでした。もう1枚は、動物の毛をむしって巣材にするハシボソガラス。表情はおとぼけではありますが、招かざる客なのでした。
※参考図書:野鳥図鑑(石田光史)、身近な鳥のすごい食生活(唐沢孝一)