また静かな動物園が戻ってきました。2回目の臨時休園です。新型コロナウィルスの猛威は激しさを増し、東京を含む1都3県に緊急事態宣言が出されただけでなく、ここ日立市でも急速に感染者数が増えてきました。茨城県は独自の対策として、1週間を通した人口1万人当たりの新規感染者数が1.5人以上を国の定めるステージ3相当として、感染拡大市町村に位置付けることとしました。1月7日、日立市はついにこの基準に該当し感染拡大市町村になりました。また同時に県内全域に外出自粛要請も出されました。こうしたことを受け市の施設全般を休館・休園措置としたことによるもので、期間は現在のところ1月20日までとなっています。(※その後、県の緊急事態宣言発令を受け、2月28日まで休園期間が延長されました。ただし市の判断で2月22日から開園)
前回の時も感じましたが、動物園はやはりお客さんが来てくれて成り立つもの。人気のない園内を歩いていると果たしてこれは現実なのか、と不思議な感覚に陥ります。ウィルスによるパンデミックで人の消えた都会や盛り場といった光景は、まるでSF映画などの近未来で描かれるような景色です。そして動物園。子供たちの歓声が消えた静まり返った園内に、時折静寂をついて響き渡る動物たちの咆哮や鳴き声。常にお客さんがいる動物園は私たちにとって日常の光景ですが、これはまさに非日常の空間です。
茨城県に外出自粛要請が出されたことは書きましたが、やはり感染を止めるには可能な限り人との接触を少なくすることが有効です。私たちもしばしの間、非日常の空間で耐えるしかありませんが、動物園に行きたいというお客様も当分我慢が強いられます。しかしきっとこの先には光明が見えると思います。昨年1回目の休園は約40日続きました。そして今回は今のところ12日間の予定です(※2月21日までとなったので、44日間の休園期間)。感染者数の予測は極めて難しいので果たしてその後どうなるか、現時点では誰にも分かりませんが、なんとか予定通り休んで感染者数も落ち着き、また多くの歓声で賑わう動物園にしたいものです。
(生江)