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令和元年6月3日(月曜日)

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2019爽快に総会!?

令和元年6月3日(月曜日)

 公益社団法人日本動物園水族館協会の2019年度総会に出席してきました。年1度の総会、今年は5月28日、29日の日程で名古屋市で開催されました。いきなりのお硬い書き出しになっちゃいましたが、この協会、日本にある約90の動物園と約60の水族館、併せて約150の施設で構成される団体で、日本の動物園水族館の抱える様々な課題に対応しながら、動物園水族館のあるべき姿や方向性に共通性を見出し、最終的には飼育動物や野生動物の環境の向上を目指し、更には利用者にもレクリエーションや教育として還元していこうとするものです(私の個人的な理解や希望も含みます=笑)。まあ、業界団体と言ってしまえばそれまでなのですが、実は動物園と水族館では、運営や動物のコレクション方法、設備面など、色々と違いがあります。また、それぞれに自治体経営のものや民間経営のもの、更に自治体でもウチのような直営のものと指定管理によるものなど、経営面でも大きな違いがあります。施設の規模でも10人前後から100人を超すものまで様々。でもやってることは飼育と展示だろ、と言われればその通りなのですがそこはやはり大人の世界。いろんな思いが交錯します。

(公社)日本動物園水族館協会の公式ホームページはこちら

名古屋港
《名古屋港の風に吹かれて》

 そうはいっても動物園や水族館を訪れる一般のお客様には何のことやらさっぱりワカランとの思いが強いでしょう。では、実例を入れて話をします。動物園水族館は世界にもたくさんあります。そこで当協会の拡大版で世界動物園水族館協会というのがあります。英文表記を略して通称WAZA(読み=ワザ)と言っています。ちなみに当協会の英文表記の通称はJAZA(読み=ジャザ)と言います。WAZAの傘下には世界各地の主要な動物園水族館が加盟しているほか(日本からは上野さんや京都さん、天王寺さんなど9施設、ちなみにうちは入っていません!)世界各地にある地域協会も加盟しており、日本の地域協会である当JAZAもWAZAに加盟しています。WAZAの理念は「動物福祉に基づいた動物飼育を通じて、環境教育と保全活動の支援にある」ことをホームページでうたっています。つまりWAZAの傘下にある以上、JAZAも同時にこの理念に同調していることになります。一般のお客様には馴染みがあまりないかもしれませんが、動物園水族館の世界では、この「動物福祉」の考え方が大きくクローズアップされてきています。しかるに日本のJAZAはこの理念を守っているのか、という世界からの厳しい目に常にさらされていることにもなります。それが大きなうねりとなったのが2015年のイルカ問題です。細かくは言いませんが、JAZA会員が追い込み漁により捕獲されたイルカを導入し続けるならWAZAの会員資格を停止するというものでした。この時もJAZA内で大きな議論が巻き起こりました。結果的にはJZAZ会員は追い込み漁によるイルカは導入しないということで、WAZAに残ることができました。

世界動物園水族館協会のホームページはこちら

 しかし、それで事態は沈静化、とはいきませんでした。たくさんのお客様が期待し、動物の能力のすばらしさを堪能できるイルカショー。イルカを導入できなければこの存続が危うくなります。自分の施設で繁殖を可能にできればいいのでしょうがそれには繁殖用のプールやノウハウなど莫大なコストがかかります。結果的にそれが厳しく、かつ経営的にもイルカショーを存続させるとすればJAZAを脱退するという苦渋の選択を迫られることにもなりかねません。

 また、事は水族館のイルカだけの問題ではありません。近年は日本の動物園の飼育環境を問題視する外圧なども高まってきています。例えばゾウなど複数の群れで生活する社会性のある動物を単独で飼育することの問題です。国土が狭く海外に比して面積も小さな日本の動物園では当園も含めどこでも起こる問題です。WAZAはこうした動物関連の情報に敏感です。

ペンギンたち
《名古屋港水族館のペンギンたち・本文と関係ありません》

 こうしたことからJAZAでは3年前から動物福祉に関わるテーマで海外の専門家を招きワークショップを行ってきています。私も参加しましたが、環境エンリッチメントやハズバンダリートレーニングなどの点で、私が赴任した2007年とは比べ物にならないぐらい飼育の質は向上してると思うものの、やはり欧米との格差は禁じ得ませんでした。今回の総会でも特別講演として、動物愛護とは一線を画す動物福祉の観点から、グローバルな目を養うことと意識改革・制度改革の必要性について大学の先生からお話がありました。しかしJAZAとしてはWAZAと歩調はあわせたいものの、冒頭、約150の施設が立場も規模も、思惑もそれぞれ違うようなことを書いたように、総会の決議文採択でもいろんな意見が交錯しました。根っこにある動物福祉は理解できても、そこに行くまでの過程はやはりまだまだそれぞれ感が。これを読んでいる一般のお客様も一気に理解できないかもしれませんが、何気ない(?)動物園水族館でも実はこんな問題があるんだな、ってわかってもらえればいいのかなと思います。ちょっと今回は業界裏事情を話させてもらいました。ホスト館となった名古屋港水族館の皆様お世話になりました。名古屋港の風は爽快で気持ちよかった、手羽先も旨かった!(文章ばっかですいません)

 

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