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平成30年12月9日(日曜日)

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アフリカ行ってきました(7)=最終回

平成30年12月9日(日曜日)

 

 いよいよ旅の最終日。昨日、下見がてらに立ち寄った国立公園内のセレンゲティ空港を目指し、最後のサファリドライブです。少しでも動物たちに会えないものか、と期待しながらロッジを発つこと約30分。突然ニッキーが車の先をゆったりと横切るゾウ達を見つけました。横切る先には更にゾウのファミリーが。かなりの至近距離で迫力満点。ゾウの群れをこれほど近くで見られるのは、旅の最後にして初めてのことです。ニッキーによれば、子供のオスも交じっているとのこと。もう帰るだけなので、しばし時間をかけて観察することに。このファミリー、2頭でじゃれあうものいればムシャムシャと周囲の草木を食べ続けるもの、なかには立ったまま居眠りするものもいたりと、勝手気ままな営みを見せてくれたのでした。私たち一同もあと少しで家族と再会できるからなのか、そんなゆったりとした時間の流れをゾウと共有するかのように静かに観察していました。すると突然一人のご婦人が、「いいわねえ自然の中で暮らせて。動物園は可哀そうねえ」と発したのでした。これには一同凍りつきました。私が園長であることは皆さん重々承知です。誰も今の声が聞こえなかったかのようにしてるので、「いやいや、可哀そうじゃないですよ」とやっと絞り出すように。きっとその方は悪気があって言ったのではないと思います。こののどかで開放的な空間、もうすぐ帰れるという喜びもあり、つい本音がポロリと出ただけなのでしょう。かくいう私も前段の部分はそう思います。でも後段は職業柄(?)否定させていただきました。まあ、論戦を戦わせるような雰囲気でもありませんので、確か「あ、ごめんなさい」とか言われたと思うので、それ以上のことは無かったのですが。そんな会話をニッキーが理解できたとは思いませんが、なぜかスーッと車を走らせました(理解できたのか)。

ゾウ1  ゾウ2
《アフリカゾウご一行様》

ゾウ3  ゾウ4
《じゃれ合う子供のゾウ(左)と木に寄りかかってうたた寝ゾウ》

 次に出てきたのはインパラのハレム。数十頭のメスの群れにオス1頭です。この光景も初めてでした。ニッキーが羨ましいだろ、みたいなことを助手席の添乗員と交わしていました。ウン、羨ましい!それにしても最終日、色々出てきていいぞいいぞ。そして、小型のレイヨウ類ディクディクも初お目見え。小さーい。最初ウサギかなにかかなと思いました。何とかいい写真撮ろうとすれども、ほどなくして草むらの中へ。あー残念。動物たちの登場はここまで。後は草原をひたすら走ります。なんとニッキーは「時間をとりすぎた、飛行機に間にあわねー」とか言ってます。確かに先行の1号車は全く見えません。だって最終日に色々出てくるんだもん、急げ急げ。砂ぼこりとともに何とか到着。サバンナの中の運動場空港。さあ早くしろと、荷物検査もそこそこにニッキーとロジャーに別れを告げ、定員13人乗りのセスナは13人ギリギリ乗せて中継地アルーシャに向けていさぎよく飛び立ったのでした。さらばサバンナ。

インパラ  ディクディク
《インパラのハレム(左)とディクディク》

お別れ
《お別れ:左からニッキーとロジャー、いい奴だったぜ(女性はツアーメンバー)》

セスナ
《さあ1時間の飛行》
機内
《ギチギチの機内》

さらば
《さらばサバンナ》

 約1時間の飛行を終えタンザニア第2の都市アルーシャに到着。ビルがあったり露店があったり、久しぶりの人間の街です。ここで昼食。バーベキューガーデンのようなところでのんびり食事をとり、キリマンジャロ空港へ。途中、初めてキリマンジャロの頂が少しだけ雲の上に姿をあらわしました。デケー!!5000mを超える高峰。やはり地元でも滅多に全貌を見ることは無いとのこと。日本の北アルプスなどとはスケール感が違う感じです。この後飛行機に乗り込み機体が安定したころ、今度は機内からさらに雄大なキリマンジャロの山容が間近で望めました。すかさずシャッター。最後にして遭遇できたアフリカ最高峰が手を振ってくれているようでした。5泊7日のアフリカの旅。まだまだ見たかった動物や場所もありましたが企画ツアーの定め、名残惜しさは次の旅への動機としてとっておき、さらばアフリカ、とこちらも小さく手を振ったのでした。

キリマン
《キリマンジャロの頂き》

 というわけで、7回にわたって連載してきた事務屋園長のアフリカ紀行も最終回です。実はここまで長く書くつもりじゃなかったのですが見たこと体験したことを少しでも伝えたくてこのヴォリュームに。「朝起きて、歯磨きしてご飯食べてセミ取りに行ったら、セミにおしっこひっかけられちゃったので帰ってお昼寝しました」と、時系列での出来事を綴った夏休みの絵日記調になっちゃった感も拭えないので、最後に大人らしく簡単に考察を。

 今回行った動機は1回目に書いたように、野生のライオンは本当に昼間も寝ているのか、の検証。これは寝てもいたし、起きてもいた、というのが検証結果。なんじゃそれ。まあ、それもそうですね。栄養価の高いエサを確保するためには、それなりの代償を払わなくてはならない。そのためには昼の炎天下、走り回ることがどれだけのエネルギーロスになるか、彼らはちゃーんと知ってるわけです。それでも、近くに群れからはぐれた個体がいれば遠慮なく襲うことも忘れない。だから一概にいつも寝てる、というわけでもないんですね。そんな場面にも何度か遭遇しました(ただ、見た限り昼間の狩りは不発でした)。

 心残りと言えばクロサイ。アフリカでビッグファイブと言われる動物ですが、クロサイだけは見ることができませんでした。ニッキーは遠目で見た、というのですが。やはり、密猟などで数を減らしていることが現実の話として実感できました。ンゴロンゴロでは、マサイに一部居住を認める代わりに、そうした密猟者の監視などにもあたらせているそうで、政府としての取り組みに今後も期待されるところです。

サイ
《見られなかったので当園のクロサイと桜》

 政府と言えば、国としての観光収入はタンザニアの主要な外貨獲得であることは間違いなく、特に近年はその傾向が強いようです。かくいう私もその一人に組み込まれたわけですが。ただ、そうした観光目的の外国人が流入すればするほど問題も起きてきます。一例が3回目にも触れましたが、ほかのツアー客の行動。昼食時に空を飛ぶ猛禽類に肉などのエサを与える行為です。野生動物を見学するだけというマナーに反しているわけで、普通ならガイドが注意しますが、現地のガイド兼ドライバーがいないので自分たちで車をチャーターしたのかも知れません。彼らは日本人ではないアジア系でしたが、今後のモラル低下が心配されます。また、私たちの泊まったロッジも少し贅沢過ぎないか、と思いました。かなりの客の汚水や排水処理はどうなってるのか気になりました。外資系が入っているということで、益々リゾート化が進むのが懸念されます。昔の日本の山小屋的不便さがあってちょうどいいのではないか、と個人的には思うのですが、一方、アフリカの貧困化対策という現実問題もあるのでしょう。マサイ族の村で感じたのもそうした現実が頭をよぎったからです。やはり彼らも生活するうえで少しでもお金を稼ぐ必要がある。観光客が来れば土産を売りつけて生活するのは至極当然。アフリカは自然に恵まれた清らかな大地、そこで暮らす住民も汚れなく清貧を旨とし・・・なんてのは私たちの勝手な思い上がりに過ぎません。たった5日間の滞在でもそんなことを感じました。

 難しい問題はいくらでも転がっていますが、広大なサバンナと突き抜ける空の青さはいつも私たちを包んでいました。そして動物たち。決して人間に世話されることのない野生の動物たち。それはあのご婦人が言うように、広い大地で動き回れる自由と引き換えに、自分だけで生きていく覚悟が強いられています。動物園動物はまったくその逆。「可哀そう」という烙印をどちらに押すのか、否、「可哀そう」というのは人間の一方的な感情であり、動物にとってはいずれのケースでも生きていく現実しかありません。旅の最後にして、野生動物バーサス動物園動物の構図が頭を駆け巡ったのでした。また来るぞー、アフリカ。最後までお付き合いいただいた方(いるのかな?)、ありがとうございました。

キリマンジャロ
《キリマンジャロよ、また来る日まで!》

 

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