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科学教育の推進

理科室のおじさんの活用をとおして

日立市立助川小学校

はじめに

本校は、明治六年に創立され、平成23年で創立百三十七周年を向かえる。数々の卒業生を輩出し、地域の中心的な小学校というイメージが強い。また、日立鉱山と日立製作所発祥の地であり、街の中心に工場がある工業都市に建つ学校である。学校周辺は自然に恵まれており、校内にもビオトープや虫むしランド等、子どもたちが自然を体験できる環境を備えている。科学好きの児童の育成を目指し、昨年度より各学校に配置された「日立理科クラブ」の活用を図った。主な活用としては、授業での外部講師、科学への興味をひきつける教材の開発、機能的な理科室環境の整備、校内環境の整備である。

日立理科クラブ

日立市では、以前より理科等外部講師活用事業として、企業OB等による授業支援が行われてきた。平成22年度より、日立市教育委員会と日立製作所との連携による「日立理科クラブ」が発足し、より組織的な支援体制が確立された。日立理科クラブでは、(1)理科室のおじさん小学校派遣、(2)理数授業支援、(3)中学生の理数アカデミー、(4)ふしぎ不思議ランド、(5)ものづくり工房工作体験教室・親子理科教室の5つの事業を行っている。本校では、(1)の活用を図った。(以下日立理科クラブを「理科室のおじさん」と言う)
また、日立市では、科学好きな児童生徒、国際社会で創造性・独創性を発揮して活躍できる児童生徒の育成を目指し、「未来を開く科学大好き教育推進事業」を推進している。日立理科クラブは、本プロジェクトの一環として発足した。

校内体制の整備・推進

科学好きの児童を育成することを全職員の共通課題とし、理科部を中心とした研究体制を組織した。以下にその取り組みを述べる。

活用研修の充実

理科室のおじさんを交えて活用研修会を行った。理科室のおじさんからは、導入等に使える大型実験装置の提示や単元ごとに使える教材の説明があった。先生方からは、より具体的に、どのような場面で授業支援を行って欲しいのか、どのような教材を作成して欲しいのかという要望が出された。お互いに話し合いを持つことで、より効果的な支援を行うことができ、課題解決に向けて職員の意識を高めることができた。

活動計画の見直し

児童の科学への興味・関心を高めるため、今まで行ってきた理科や総合的な学習の時間の活動の見直しを行った。校内の人的・物的資源をいかに効果的に活用できるかという視点で見直しを図った。各学年からあがってきたものを元に、学校全体としての取組とまとめたものが、「未来を開く科学大好き助川っ子の育成(PDF形式:152KB)」である。このプロジェクトは、学校経営の取組に位置づけ、全職員で実践した。

校内環境の整備

児童が身近に科学に触れる機会が増えるよう、校内環境の整備について、話し合いを持った。その結果、三つの意見が出された。

  1. 現在あるビオトープを整備し、より自然に親しめるようにする。(エネルギー検知器の設置、手作りベンチの整備)
  2. 行くのが楽しくなるようなわくわくする理科室にする。(わくわく科学広場の設置、校内ミュージアム展の実施)
  3. 校庭の樹木に名札をつけ、子どもたちが親しみをもって観察できるようにする。

教材の開発

理科では、観察・実験等、教材・教具に触れる機会がたくさんある。その際、児童がより課題を明確にしたり、変化を感じとったりできるよう、理科室のおじさんに教材の開発を依頼した。授業担当者が、開発したい教材についてのアイデアスケッチを作成し、理科室のおじさんとの打ち合わせ進める中で、イメージを形にしていった。教師のイメージを生かした教材は、他校からも授業で使いたいと借用の依頼があった。

PTA・地域の協力

本校には、PTAだけではなく、四代桜を守る会、助川海防城跡保全会等、学校に協力してくれる外部団体がいくつかある。プロジェクトを進める中で、児童や職員だけでは取り組みが難しいことについては、協力を依頼した。

  1. 理科室清掃 職員とPTAの合同で作業を実施
  2. ビオトープ整備 定期的な清掃、手作りベンチの製作
  3. 樹木プレート制作 該当学年児童数木片切り出し

実践例

教材開発

手洗いチェッカー

ブラックライトを使い、石鹸による手洗いが十分にできているかどうかかをチェックする器械を製作した。手洗いが不十分な箇所がブラックライトで浮き上がるため、児童はとても興味深く活動していた。

流水の働き実験装置

以前は、校庭の片隅にみぞを掘って行っていたが、変化の様子がより分かりやすく、その後も流水の働きの跡が確認できるよう、大型実験器具を製作した。何度も繰り返し実験・観察ができるため、変化の要因について考え、確かめることができた。

酸性雨発生装置

酸性雨発生のメカニズムについて、演示できる装置を開発した。空気の対流現象を観察することができ、酸性雨が触れるとリトマス紙の色が変わることから、酸性雨の存在と発生のメカニズムを理解することができた。

校内環境の整備

機能的な理科室環境の整備

使いやすい理科室になるよう、夏季休業中に職員とPTAの合同作業として、理科室の片付けを行った。古くなったものや壊れているものを中心に、いらないものを捨てる活動を行った。収納棚等も必要最小限にし、オープンスペースが確保できるようにした。整備後に一番驚いていたのは、何よりも職員だった。整理整頓された理科室となり、活用頻度が増えた。

わくわく科学広場の整備

子どもたちが、気軽に科学を体験できるスポットとして科学広場を作成した。実験器具は、日立理科クラブから借用した。子どもたちは、休み時間に理科室に訪れ、自分の興味を示めす実験器具を前に、目を輝かせて取り組んでいた。理科室のおじさんと一緒に実験器具で遊びながら、科学への興味を深めるようになった。
また、科学史を担ってきた科学者の肖像と活躍した内容が記載された展示物を、20名程選んで展示した。ニュートンやガリレオ、アインシュタイン等、子どもたちにとっても聞いたことのある科学者がたくさんおり、未来の科学者を目指してくれることを期待している。

ビオトープ整備(自然エネルギー検知器の設置)

自然エネルギーを有効活用し、目に見える形で実感できるよう、日立理科クラブに依頼し、エネルギー検知器を製作してもらった。風力と太陽エネルギーで発光ダイオードが光る様子から、子どもたちは自然のエネルギーを実感できるようになり、環境を守ろうとする気持ちも育ってきた。

おわりに

外部講師活用と教材開発から

専門的な知識での説明や興味をダイナミックな演示装置は、子どもたちの興味をひきつけるだけでなく、難しい原理を分かりやすく理解することができた。教材・教具の準備や作成などは、大いに助かる内容である。

校内環境の整備から

理科室の整理整頓を通して、理科室本来の環境作りができた。理科室が変貌を遂げたとき、変化に一番驚きの声を上げたのは職員であった。普段の授業で、理科室をしっかりと活用した授業展開ができたことが大きな成果である。
休み時間には、いつも多くの児童がビオトープ周辺に集まってくる。カエルやメダカ等、生き物を採集したり、観察したりしている。手作りのベンチに座り、校庭の自然を肌で感じている児童もみられる。
理科室のおじさんの活用をとおして、子どもたちの科学に触れる機会が増えたことは、科学の芽を伸ばすきっかけになったと考える。今後も、地域の教育資源を生かした取り組みを行い、全職員で一丸となって、学校教育の活性化を図っていきたい。

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