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staff blogスタッフブログ (スタッフブログ)

バルミーの闘病生活~子宮蓄膿症?!~part3

平成30年4月24日

※前回のブログ:  http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/akiba/p066437.html

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※一部ショッキングな写真があるかもしれませんのでご注意ください。

 

12月6日。

いよいよ、バルミーの手術の日。

朝の打ち合わせ

 

朝早くにみんな集まり(助っ人ありがとうございました)、もう一度しっかり打ち合わせ。

よし!!!

麻酔銃

麻酔はじめ

「バーン!!!」

 

麻酔銃で麻酔導入。

動かなくなったことを確認して、同じ空間に入ります。

 

 

はい!打ち合わせどおり、

 

ものを運んで手術室をセット。

 

体重計って、

処置はじめ

 

 

気管挿管して、  ※麻酔・呼吸の管理のために気管にチューブをいれます。

 気管挿管
気管挿管

留置して点滴開始。 ※血管に管を通して、点滴します。術中感染や術後の腎不全などを予防します。

(左の前足の血管を使いました。)

 静脈確保

術野の毛刈りと消毒をして・・・
術野消毒

(例のバリカン大活躍!)

 

っとさらっと書いてますが、ここまでで大体1時間。

獣医として、まだまだな私。モタモタ、お恥ずかしい限りです。

 

 

さて、おなかを開いて、卵巣と子宮を取り出します。(こっちはベテラン組のお仕事。笑)

手術開始

手術
 

出血も少なく手術は順調に進んでいきました。

 

取り出した子宮は、ポコポコと壁が厚くなっていて、内側の粘膜のところが赤く充血しているようでした。

 子宮

子宮に切れ目をいれると、とろ~っと粘液が落ちる感じ。

目で見た感じ、子宮に異常があるんだろーなという印象でした。

どんな状態なのか、詳細を知るために、そのまま病理・細菌検査をお願いしました。

 

予定していたよりも早く終わって、バルミーの覚醒も順調に進んで、ばんばんざーい!!

 

 縫合

悪そうな子宮もとれたし!バルミーもしっかりしてるし!

あ~、すっきり、すっきり~

 起きたバルミー

 

(なんか痛いじゃないの…ボーっとするし。イラッ)

とお祝い・安心モードの園内で

 

「こんなスムーズに、うまくいっていいのか・・・?」

と一瞬でも思ってしまったのがいけなかったのか、このあとまだ戦いが続くことに・・・

 

でも、そんな考えは一瞬で消え去り!数ヶ月ぶりの安心・安堵のあまり、にやにやがとまらない一日を過ごしたのでした~

 

Part4に続く(けっきょく続くんかいっ・・・)

 

(おいしいカレーライスを食べ、おいしい晩酌をいただき完全に浮かれていた獣医師・あきば)

平成30年4月24日

飛び出せ動物園!ボルネオ編part8

平成30年4月20日

前回のブログはこちら

part7
 www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/inoue/p066261.html(新しいウインドウが開きます)

森の住人との出会い

 ジャングルトレッキング中はガイドが共に歩いており、別のルートを歩いているグループのガイドと無線でやり取りをしています。
どこどこにテナガザルを発見!なんて無線が流れようものなら「Hey!Come on!」というかけ声で慣れないジャングルを他の動物を怖がらせないよう小走り。1km程度走ったけど既にその場所にはいなかった、なんて事もありました。
けれどその日はガイドのJeffreyの声もはずんでいて、ぜひ私たちに見てもらいたいという気持ちが伝わってきました。何が出たのか聞くと笑いながら「Orang-utan!」

 オランウータン!!

 私がボルネオ島に来て最も会いたかった野生動物です。
Jeffreyにも会いたい会いたいと言い続けていたので俄然期待が高まります。
そしてたどり着いた先に・・・

オランウータン

い、いたーーー!

メスのオランウータンが樹上の間を縫うようにゆっくりと動いています。怖がらせないよう私たちは50mほど離れた場所から双眼鏡でそ~っと観察することにしました。
彼らはボルネオ島とスマトラ島のジャングルにしか暮らしていない大型類人猿です。
赤毛色の長くてふさふさの毛。オスはメスに比べて顔周りにひだが発達します。
主に果実を主食としています。ゆっくりと移動しながらごはんを探しているのでしょうか。

オランウータン親子

なんと子供も一緒にいました。まだおっぱいを飲んでいそうな歳の子供。大体7~10歳で親から独立すると言われています。
この後大雨に見舞われたのでもしかしたらそれを見越して親子で雨宿りできる場所を探していたのかもしれません。 

オランウータン親子2

オランウータンは基本的に群れを作りません。この辺りが彼女たちの行動範囲なのでしょう。

オランウータンスカイウォーク
    <多摩動物公園HPより>

2015年に行ったシンガポールZOOでは園内のいたるところにオランウータン移動用のロープと休息所が張ってあり、頭上を彼らが行き来する姿は迫力がありました。
国内だと多摩動物公園や旭山動物園などもオランウータンがより広く動けるような工夫をしてあります。
単独生活者で広い縄張りを持つ彼らの特性を上手に生かした展示は来園者にオランウータンという動物の魅力発信ができます。世界中の飼育園館がジャングルでの彼らの暮らしに近づけようと努力しています。

センターのオランウータン

実は私、ボルネオ島に着いてから2日目にオランウータンを見ることはできていました。
ただし彼らは野生ではなく飼育個体。けれど動物園に見に行ったわけではありません。
この辺りのお話を最終回となる次のブログで書きます。
あと少しお付き合いください。

 おまけ

原生林(昔からある森)の木々は本当に高さがあり、樹上の動物を見るのに双眼鏡や望遠レンズは必須です。しかし地上より高い目線で観察することもできます。

キャノピーウォーク キャノピーウォーク
  <キャノピーウォーク>     <鳥を探しています>

キャノピーウォークと言って木々の間に高い橋がかけてありこの間を渡りながら森を広く見渡すことができます。
Part6で登場する野鳥たちはほとんどこのキャノピーウォークで発見しました。
朝、清々しい空気の中ここを歩くのはとても気持ちが良くおすすめなのですが高所恐怖症の人には耐えられないかも?

 (飼育員 いのうえ)

平成30年4月20日

バルミーの闘病生活~子宮蓄膿症?!~part2

平成30年4月10日

※前回のブログ:http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/akiba/p066436.html

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1日2回の抗生剤を毎日飲んでくれたおかげで、元通りの元気をとりもどしたバルミー。

 

その裏で、私たちは何をしていたかというと…

 

 

同じような症例で手術を経験した動物園から、たくさんお話やデータを集めること

ライオンを多く飼育している関東の動物園の方々に手術の写真や動画を見せてもらいました。

手術の準備や方法で、私たちが不安なことについて質問してアドバイスしてもらいました。

このおかげで、「うちでもできそうだ!」という希望をもつことができました。

本当に感謝しかありません!

 

 

手術に必要な器具や機械、薬、人手をそろえること

手術の方法自体は、難易度の高いものではありません。ネコの避妊手術と似たようなものです。

でも、最低限必要なものがなければ、安全に・速やかに手術を行うことはできません。

これまで、かみね動物園では、大きな動物で、長時間かかる開腹手術をしたことがなかったので、たくさん準備することがありました。

 

 


・バリカン
(ライオンの毛は脂っぽいので、私は術野の毛刈りに不安を感じていました。でもこれで一発!すんなり毛刈りに成功!)

バリカン

https://www.amazon.co.jp/Osterより転載

バリカン刃

 

・気管チューブ
(これまで気管挿管をしたことすらなかったのですが、手術時間は5,6時間を想定…安全な麻酔のため、呼吸の管理のために必要なものでした。しかも、ライオン…とにかく気管は太い!牛や馬用の大動物のものを使いました。)

 

 気管チューブ


・麻酔のモニター
(心臓の動きや呼吸の状態を把握します。)

 酸素モニター
心電図

 

・滅菌ガーゼ
(だけではたりなさそうなので、滅菌タオルを何枚も用意しました。止血につかったり、手術器具を置いたり、万能屋さんです。)
滅菌ガーゼ・タオル

 

・鉗子
(手術器具のひとつです。止血をしたり、なにかを引っ張り出したり、とめておいたり。当園にある鉗子ぜーんぶを使ってやっと足りるかなという感じ…)

鉗子

手術器具の全部

 

 

などなど…本当に山ほどあり、購入できるものは購入。借りられるものはお借りするといった形で、とにかくそろえました!!

 

※ご協力いただいた近隣動物病院さん、動物園のみなさま、本当にありがとうございました!

 

 

ものをそろえた後は・・・

 

手術を行う環境や手順を整えること

役割分担などの細かな打ち合わせ

取り出した子宮を詳細に検査する(病理・細菌検査)体制を整えること
 

 

手術室準備
 (手術室はバルミーの寝室。治療の導線を確認して、無駄のない動きを目指しました!)

 

など、手術を安全に行い、有意義なものとするために、やることは盛りだくさん・・・

園外の方々にも、とにかくお世話になりっぱなしでしたが、準備万端!!

いざ、手術開始です!!

 

Part3に続く・・・(次で最終回!きっと!)

 

(手術前日は緊張しすぎて、一人そわそわしていたチキン獣医師・あきば)

平成30年4月10日

ネズミの遊園地を作ったよ!

平成30年4月5日

3月4日と11日の2日間、かみね動物園わくワークショップを開催しました!

ネズミの遊園地を作ろうと題して、身近な材料を使ってハツカネズミの遊具をつくるワークショップです!

好評につき再開催となりました。前回からパワーアップした素敵なイベントをご覧ください。

まずは、肩慣らしとしてこれなんだろなクイズ~。かみね動物園にいるネズミの仲間やお隣の遊園地にある遊具を答えてもらいながら緊張をほぐします。子供向けの簡単な問題ですが、大人の方でも、これネズミの仲間なの?てかこれなんだと答えに詰まるような場面もありました。

これなんだ びっくりはうす

 <これなんだ?大人も沈黙のマーラ。> <日立に来て初めて出会ったビックリハウス>   

実はかみね動物園はネズミの仲間とサルの仲間がたくさんいる動物園なんですよ。ビックリハウスは本当にビックリするのでレジャーランドにお越しの際は一度お試しあれ!

クイズを通してみんな遊園地で好きな乗り物が違うように、同じネズミの仲間でも住んでる環境によって好きな場所や得意な行動が違うことに気づきました。

クイズ くいず

    <4日は写真を使って>         <11日はプロジェクターで近代化>

さて、早速工作を開始したいところですが、ハツカネズミがどんな生き物なのか知らないと遊具は作れません。そこで、本物のネズミに登場して実演してもらいました。

のぼる あなほり

     <高い所に上ります>             <穴掘ります>

かくれる かじる

    <狭いところに隠れます>        <大きい前歯でかじります>

劇団四季もびっくりの名演技で、会場は大盛り上がりでした!熱演の甲斐あって、おさらいでネズミについて質問すると一斉に手が上がりました。

おさらい

<ネズミはどんなことが得意なんだっけ?>

さあ、ネズミのことが分かったところでいよいよ工作です。自宅から持ってきた材料と動物園で用意した材料を駆使して遊具を作ります。ルールはハツカネズミのことを考えて彼らのための遊具を作る!あとは自由!何を使っても、どう作っても良し!

ネズミのことを忘れないためにも、得意技シートと工作カードを使って進めていきました。

こうさく こうさく

       <材料集め>               <真剣です>

こうさく こうさく

    <お父さん大活躍>             <お母さんも大活躍>

こうさく 工作カード

    <スタッフもお手伝い>              <工作カード>

工作はたっぷり40分間時間を取りましたが、それでもみなさんギリギリいっぱいまで作成していました。

かんせい

      <できあがりー>

作品が完成したところで、いよいよハツカネズミの登場です。

なにもない台の上で所在無くウロウロしていたネズミ達ですが、遊具が置かれると思い思いに使ってくれました!ネズミの動きを見ながら途中で遊具を改良したり、工作カードにシールを貼りました。

ハツカネズミ かんさつ

    <なんにもないところ>            <遊具がいっぱい>

かんさつ かんさつ

     <動き回るネズミ達>              <のぼる>

かんさつ かんさつ

    <つかってるかなー?>          <大人も子どもも夢中です>

工作カード 行動を見ることができたらシールを貼ります!

最後にまとめのお話をしました。11日はビデオを使ってネズミの生中継も行いました。思いのほか実況生中継が大好評で、たのしく遊具やネズミの観察ができました。

まとめ まとめ

    <ネズミ目線で実況生中継>       <かみね動物園が表彰されたよ>

最初は自分達が楽しい遊具をイメージしていた方も多く見られましたが、ワークショップを行うに連れてどうしたら動物にとって楽しいかを意識するようになっていきました。そう!これが大切なんです。飼育員は獣舎や展示場を管理する際に、そこにいる動物にとってどうしたら良い環境になるかを考えています。動物たちはそれぞれ生息している環境に合わせた習性があり、それを上手く引き出してあげられるかが飼育員の腕の見せ所です。時にはエサを隠すなどして、わざと食べづらくすることもあります。たまに「意地悪してかわいそう」という声を聞きますが、動物たちにとっては追いかけたり、探したりする方が自然なのです。ただし、本当に動物が幸せなのかは本人達に聞いたわけではないのでわかりませんが、少なくとも体を動かすことで運動不足解消になりますし、なかなか食べられないので大好きなエサの時間が長くなることで変化の少ない日常に刺激が生まれます。見せる側としてもできるだけその動物本来の行動をお見せしたいという気持ちがあります。

動物の暮らしを豊かにする取り組みを「環境エンリッチメント」と言いますが、少しでもこのワークショップを通して感じてもらえていればと思います。終わった後に自分の家で飼ってるハムスターに同じように作ってあげると言ってくれた参加者の方がいたのは嬉しかったです。

「楽しく入って学んで出られる動物園」のイベントに今後もご参加お待ちしてまーす!!

まとめ 展示

    <ハイ、チーズ>           <作品は資料館にて展示しています>
 

自分が楽しすぎて11日の集合写真を撮るのを忘れてしまった 中本

平成30年4月5日