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staff blog園長室ブログ

バシャン、旅立つ

平成29年5月15日

 すでに当HPや新聞等で報道されているように、カバのバシャン(メス)が5月12日早朝、亡くなりました。享年54歳。1963年3月、別府市で生まれたバシャンは5歳の時に来園し、以来48年7か月にわたりかみね動物園で暮らしてきました。在園年数は間違いなくほかのどの動物よりも長く、それだけに市民・来園者にも大きな存在感を示していました。今年は開園60周年ですが、担当する飼育員も何代も交替し、まさにかみねの歴史とともに歩んできた生涯でした。特に、最後の担当となった井上飼育員はかみねではカバ担当としては初の女性飼育員で、新採で入ってきたときからの担当なだけに思い入れも深く、カバとのつき合いが本にも紹介されました。井上飼育員からは、後ほどバシャンとの思い出や亡くなる前の状態などがブログで綴られると思いますので本欄ではあまり多くを語らないようにしますが、晩年のバシャンは老化による体の衰えが顕著になり、歩くのも大儀そうでした。

第1子と
≪第1子と・・・1969年≫

 私は当園に来て11年目になりますが、その間大型動物の最期を何度か経験しました。しかし、そのほとんどは病気や突然の死亡などで、老衰のような形での最期はみたことがありませんでした(直接の死因は現在解剖して調査中です)。バシャンは外の展示場に出ることができなくなり、ほとんど室内での飼育となっていました。餌を食べるときは床に上がって採るのですが、それもできなくなり、飼育員から手渡しで餌をもらったり日がなプールの中にいるバシャンを見るのはとてもつらいものがありました。飼育員たちとは、心の準備だけはしておこう、と話していたのですが、早朝見回った獣医が、ゆらぎのない静かな水面に異変を感じ、最期を看取ることになりました。

飼育員と
≪亡くなる5日前、飼育員と≫

 バシャンは生涯連れ添ったドボン(1994年没)との間に13回の出産で双子を含む14頭の子を残しています。亡くなった子もいますが、息子や娘たちは全国の動物園で来園者を楽しませています。その中でも、最初の出産となったオスのドンは札幌市の円山動物園で暮らしています。バシャンが亡くなり、このドンが生存個体では国内最高齢(47歳)となります。つまり、長男にその座を譲ったことになります。カバは全国29施設で52頭が飼育されています(2015年12月31日現在)。当園としても今後について考えて行かなくてはなりませんが、当面はかみねに残された末娘チャポンとともにドンや全国に散らばっている子たちにかみねの血を継いでもらいながら、カバを取り巻く現状や課題などを伝えていきたいと思います。

 バシャン、長い間ありがとう、どうぞ安らかに。

チャポンと
≪娘チャポン(右)と至福(?)の時間を≫

平成29年5月15日